5月14日、SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)にて、Scout-Fabという活動を実施しました。
Scout-Fabとは?
Scout-Fabは、慶應ローバーの有志による、ScoutingとFab(スカウト運動とパーソナル・ファブリケーション)のコラボレーションを目指す、実験的な取り組みです。
いま、パーソナルファブリケーション(Fab)というものづくりのムーブメントが起きています。工作機械がパソコンとつながることで、個人的な必要や欲求を満たすため、さらには問題解決をするためのプロダクトを、自分で作ることが出来る時代が目前に迫っています。
ボーイスカウトは「パイオニアリング」を通じて、子供の頃から自分たちの問題解決のためのものづくりを実践してきました。この経験がある私達は「Fab」という新時代を切り拓く、ものづくりのムーブメントの概念を素直に理解することが出来ます。
青少年教育のあり方を実験するムーブメントとして始まったボーイスカウトは、社会実験の場としての役割を担ってこそ、公益性のある団体であり続けることが出来るのではないでしょうか?
慶應ローバーでは、ScoutingとFabという2つのムーブメントがコラボレーションすることで何ができるようになるのかを、Scout-Fabの実践を通じて明らかにしていきます。
第1回Scout-Fab
SFCの図書館1階にあるFab-Spaceには、デジタル技術を用いたものづくりのためのツールが設置されています。第1回目となる今回は、Fab-Spaceを利用して、ツールの使い方を知ることを目的に、ボーイスカウトのユニフォームを構成するアイテムをいくつか制作してみました。
1.レーザーカッター
レーザーカッターを利用すれば、レーザーを照射することで、パソコンでデザインした2次元のデザインデータ通りに、木やアクリルなどをカットしたり彫刻することができます。
今回使用した機材はtrotec Speedy 100R
・レーザータイプ:CO2 レーザー
・作業面積: 610 x 305 mm
・ワークピースの高さの上限: 170mm
・レーザー出力:30~60ワット
Adobe illustratorで作成したデータがあれば、線の色や塗りを区別してカットや彫刻をすることができます。彫刻の深さも、色別にレーザーのパワーとスピードを調整することで異なる表現が可能です。
ただし、材質や木目、湿度によって必要なパワーやスピードの数値は変化するので、本番前にテストカットを行うのが無難です。
加工を開始すると瞬く間に彫刻とカットをしてくれます。
データ量にもよりますが、15cm角の3mm合板のカットなら4,5分で完了します。
作ったパーツは木工用ボンドで接着します。
できました!ネッカーリングです。
慶應ローバーのマスコット、シニコーンのリングも作りました。
アクリルのネームプレートも簡単に作ることができます。
細かいデザインも小さい文字もくっきりと表現されます。
2.3Dプリンタ
Fabの代名詞とも言えるツールが、3Dプリンタです。様々な製造方法がありますが、Fab-Spaceの3Dプリンタでは、樹脂を溶かして積み重ねることで立体物を作ることができます。
今回使用した機材はMakerbot Replicator 5th
・プリント方式:熱溶融積層方式
・造形エリア:252(L)×199(W)×150(H)mm
・積層ピッチ:0.1mm(100ミクロン)
3Dモデリングデータ(stlファイル)があれば、出力可能です。